技術資料

Technical Data

技術概要

エコ・パワーファイブは陽イオン(+イオン)陰イオン(-イオン)による電離作用の働きがイオン結合をより一層促進し、水分子を緻密化しセメント粒子との結合が増大する。
これにより、セメントの分散性が高まり、且つブリーヂングの減少、コンクリートの緻密化となる。

製品仕様

本製品は、JIS A 6201コンクリート用フライアッシュから作り出される人工ゼオライトに特殊界面活性剤を均一に練り込み、水溶性の袋に充填したものです。
人工ゼオライトは多孔質を有しております。

製品の特長

コンクリートのワーカビリチを高め、材料分離を抑制し、水密性が高く、気泡も少ない密実なコンクリート化を図ります。

セメントとの相性

普通、早強、低熱等のポルトランドセメントやフライアッツシュセメント、高炉セメント等への使用に問題はありません。

化学混和剤との相性

AE剤、AE減水剤等との併用に問題はありません。膨張材も問題ありません、
但し、高性能AE減水剤については、一部支障を来たすケースも有りますので試験練に際しては、使用量調整を行った試験が必要なケースも考えられます。

使用方法

事前の試験練を行いコンクリートの性状に支障が無いか確認をお願い致します。

  1. アジテーター車が現場に到着後30秒間の撹拌を行う。
  2. 荷卸し試験の実施。
  3. アジテータ車の撹拌を中止し、コンクリート4立米(4.25立米)に対し製品1袋(10g)を投入し20秒の高速撹拌を行う。
    但し、大型アジテータ車に1立米用製品を投入する際は、製品を三つ折りにし、アジテータドラム底部に有るコンクリートを上部へ戻し投入して下さい。投入が容易に行えます。
  4. 投入後、荷卸し試験同様試験を行て下さい。
  5. 通常通りの施工となります。

※繊維補強材使用時はエコ・パワーファイブ投入前に繊維系補強材の投入と撹拌を行った後、エコ・パワーファイブ投入撹拌として下さい。(互いの撹拌時間が異なる為)

品質試験

配合(Kg/㎥) 24-15-25N W/C 59% エコ・パワーファイブ使用量は2.5g、実機2車使用
練り混ぜから打終わりまでの時間、外気温25℃越えでの規定時間1.5時間でのフレッシュコンクリートの経時変化について確認を行う。

スランプ (練直にて実施)

添加/EPF・エコ・パワーファイブの略  単位(cm)

 
0分/添加後
30分後
60分後
90分後
基準
17.5
15
12.5
12
添加
18.5
16.5
14.5
13

EPF添加コンクリートの1cmのスランプの伸びが最終計測90分まで持続しており、打込み終了時までEPFの効果が発揮されていることが確認できます。

空気量経時変化

単位(cm)

 
0分/添加後
30分後
60分後
90分後
基準
4.80%
3.90%
3.90%
4.30%
添加
4.40%
5.20%
5.70%
5.60%

基準コンクリートに比較し空気量が増えていますが、規定範囲内であり問題ありません。

圧縮強度試験

材例7日  単位(N/㎟)

 
1
2
3
平均値
基準
20.4
19.6
20.3
20.1
添加
20.2
20.5
20.6
20.4

材例28日  単位(N/㎟)

 
1
2
3
平均値
基準
26
26.7
26
26.2
添加
27.6
27.6
28.6
27.9

コンクリートに重要な強度において、材齢7日で基準コンクリートに対し101.5% 材齢28日に対し106.5%と共に基準コンクリートを上回っており、EPF添加コンクリートによる コンクリート強度に問題を及ぼすことは確認できませんでした。

長さ変化試験 (乾燥収縮ひずみ試験 10x-6)

単位(cm)

材齢(週)
0
1
4
8
13
26
基準
0
187
490
680
758
807
添加
0
182
469
569
741
792

供試体3本の平均値

基準コンクリートに対し98%とEPFを添加してもコンクリートに悪影響は考えられません。

ブリーディング経時変化

●基準コンクリート 46cc(終了に270分)  ●添加コンクリート 43.5cc(終了に240分)
個別に行った試験結果

透水性試験(インプット方法)

拡散係数(㎠/sec)x10¯4 透水係数(cm/sec)x10¯10 単位sec 配合 27-8-20BB W/C54%

 
拡散係数平均値
透水係数平均値
基準
10.33
9.65
添加
5.75
3.89

拡散時間、透水時間共に基準を下回っており、高い水密性が証明されております。

添加量について

EPF添加量はコンクリート4立米に対し10gを基本に作られています。
これは、スランプ値の規定範囲値が設定されており、スランプ5cmについては±1.5cmスランプ8cmから18cmについては±2.5cmとなっており、現行の添加量が最適と考えております。
8cmから18cmのスランプ値で施工性を考慮して上限最大値まで伸ばすケースでの添加量として現行添加量に対し、1.5倍から2倍が可能です。
2倍添加した試験結果は下記の通りとなります。

2倍立米5g添加 材例7日  単位(N/㎟)

 
スランプ
空気量
強度1
強度2
強度3
強度平均値
基準
15
4.9
20.4
19.9
20.2
20.2
添加
17.5
5.1
19.7
19.6
20
19.8

配合24-15-25N W/C59% 材例28日  単位(N/㎟)

 
スランプ
空気量
強度1
強度2
強度3
強度平均値
基準
15
4.9
26.4
26.9
26.7
26.7
添加
17.5
5.1
27.5
26.9
26.2
26.9

1.5倍立米3.75g添加 材例7日  単位(N/㎟)

 
スランプ
空気量
強度1
強度2
強度3
強度平均値
基準
5.5
4.7
19.2
19.6
20.2
19.6
添加
6.5
4.3
20.3
20.3
19.8
20.1

1.5倍立米3.75g添加 材例28日  単位(N/㎟)

 
スランプ
空気量
強度1
強度2
強度3
強度平均値
基準
5.5
4.7
33.8
32.6
34.6
33.7
添加
6.5
4.3
35.9
35.3
34
35.1

EPF2倍添加した場合、基準コンクリートに対し100.7%と同程度の強度を示しており2倍添加での使用も強度面での問題は考えられません。
また、1.5倍添加コンクリートについても、配合は異なりますが、材齢7日で103.5%材齢28日で104.1%の強度を示しており、添加量1.5倍でも強度面での問題は考えられません。

放射線遮蔽試験

基準コンクリートとEPF添加コンクリートの放射線遮蔽率の比較試験を東京都立産業技術研究センターに於いて実施いたしました。
使用した試験体は、200㎜X150㎜X100㎜の規格としコンクリートの配合は、27-8-20BBW/C54.5%、コンクリート練量30リットル、添加EPFは0.075g(4立米当たり10g相当量)といたしました。
両試験体にガンマ線照射(Cs-137線源)を行い、両試験体の放射線遮蔽率を求めました。
結果、基準コンクリートの遮蔽率は73.1%、EPF添加コンクリートの遮蔽率は73.9%の結果が得られ、その差0.8%とEPF添加コンクリートの密実性が実証されました。

コンクリート破砕写真

電子顕微鏡を使用し、EPF添加コンクリートと基準コンクリート(未添加)の結合について撮影いたしました。
撮影の結果、EPF添加コンクリートは基準コンクリートに比べキメ細かい結合がうかがえます。EPFを添加することにより、良質なコンクリート化が促されます。

NETIS技術登録情報

平成20年2月登録以来10年間様々な分野に於けるコンクリート工事に活用されて参りました。
その間400件以上に及ぶ工事に採用され、エコ・パワーファイブ使用での事故、トラブル等の問題は発生せず、極めて安定した技術であると高い評価を頂戴し、安定した技術の証として「VE」登録となり、平成23年度には4,000を超える数ある技術の中から、「五つの有用な技術」である「設計比較対象技術」に指定されるなど、当技術の有用性が立証されました。
平成30年3月31日を以て技術登録は満了致しますが、本技術は、これからも我が国のインフラストラクチャー整備に貢献できる技術であります。

関連情報

平成24年に開催された土木学会において、大手ゼネコン飛島建設株式会社様が「分離低減剤を使用したコンクリートと鉄筋の付着性状」を研究し発表されました。
研究には基準コンクリートならびに弊社材料及び他社材料の三種にて比較されました。
結果、分離低減剤を使用したコンクリートの付着応力は基準コンクリートと比較して高いことが証明されました。
土木学会発表資料ご用意しております。

施工例

【施工例1】某公共工事でのエコ・パワーファイブ添加コンクリートと未添加コンクリートの比較

【施工例2】某公共工事でのエコ・パワーファイブ添加コンクリートと未添加コンクリートの比較

施工例1,2共に工事従事者にエコ・パワーファイブ使用の説明は行わず、通常通りの施工を行いました。
脱型後エコ・パワーファイブを使用したコンクリートは共に気泡も少なく、出来栄えの違いが良く表れています。